マネートゥデイ
デジタルノマドの運命に感謝する
チェ・ジェホン教授
2024/07/04
"城を築く者は滅び、移動する者は栄えるだろう"と、世界史上最大の征服者であるチンギス・ハーンが語った。"私の子孫が絹の衣を着て瓦屋に住むとき、私の帝国は滅亡するだろう"と、具体的な例を挙げて警告した。1000年前に彼が言及したことは、今もなお金剛石のように強力で不変の真理として受け入れられている。しかし、そのような真理が選択ではなく運命であれば、幸福になれるのか考えてみた。生まれたときから全力で動かなければ生き残れないために動き、そして成長したが、安住することができず再び動かなければならない遊牧民のような運命を語ることなのだ。
最近、ネイバーウェブトゥーンがアメリカのナスダックに上場した。公募価格は成功裏に決定され、母体企業を含め株価は上下しているが、無から有を創造する我が国の企業の活躍は素晴らしい。我が国企業のアメリカ市場上場は、自らの企業価値と企業の評価を世界の中で一層高めるものであり、過去には想像もつかなかった多くの意義がある。最近のクッパや20年前のゲーム会社グラビティ、すでに撤退したウェブ젠も同様に、ニューヨーク証券取引所やナスダックで成果を上げている我が国の企業を見れば、止まることなく移動し続け、走り続ける遊牧民を思い起こさせる。
私たちにはフェイスブックのようなグローバルソーシャルプラットフォームや、グーグルやアマゾンのような世界的な検索・コマースプラットフォームはない。後れを取っているが、それでもネイバーやカカオ、そして数多くのスタートアップ企業が無限の規模のグローバルプラットフォーム企業に対して国内進出を現在もよく防いでいることに安堵感を感じている。私たちには運命のような海外進出効果から見ると、外へ出ていくだけでなく、国内に入ってくる海外の攻勢をしっかり防御することも含まれるからだ。
述べたように、私たちには強力なグローバルプラットフォームがない。早急な判断かもしれないが、現時点では可能性も皆無だ。しかし、逆に考えるとプラットフォームは、自らの本質に変化があったり、核心価値が動けば危険である。プラットフォーム自体が進歩してはいるが、革新的革命が起こることはない理由だ。それに対してコンテンツは、常に人々に合わせて顧客と対話し、時代の要求を反映しなければならず、変化が無数にある。瞬間瞬間が敏捷で柔軟性があり、果てしなく人々の欲求を探求しながら移動しなければならない。それだけでなく、今の成功が世代を超えて続かないため、成功が繰り返されても次を保証できないのがまさにコンテンツである。しかし、その卓越した人々がここにいる。生まれてから動き、成功しても、また止まることなく動き続けざるを得ない運命を持つ者たちだ。彼らが小さいが迅速で多様性に富み、変化が無数にあるKドラマやKポップ、Kウェブトゥーン、Kムービーなどを世に送り出し、Kを世界で最も熱いアルファベットにしたのだ。私たちが持たないものを憧れるより、誰かの著書を引用すれば「世の中がどうにもできない、ただ私が持っているもの、私が持っているものを世が欲しがること」が正解だ。またそれゆえに幸福である。
サメは大洋で生きるには不適合である。浮き袋がないため、絶えず動かなければ深海に沈んでしまう。しかし、海では最高の捕食者となる。蜂は空を飛ぶには不適合な体である。体の形やバランス、大きさに対して翼が合わないからだ。単に空中に留まるためには1秒間に200回以上羽ばたかなければならない運命を持つ。しかし、彼らは蜂蜜1kgのために地球一周の距離を飛ぶことを厭わない。私たちにはあまり多くない人口があり、持つものがなく、飢え、世の中の事に悩まされた歴史を持つ先祖が残した小さな土地しかない。しかし、今回のウェブトゥーンというコンテンツの飛躍を見て感じたのは、常に変化し、動き続け、今日もまた一歩前進しなければならないデジタル遊牧民の運命に感謝する。 (チェ・ジェホン、カチョン大学グローバルキャンパス起業学科教授)