朝鮮コラム

産油国の夢、危険を冒す者は誰か

張大益 学長

2024/06/14

1988年に東海で発見された4500万バレル規模のガス田。/韓国石油公社

東海の深海石油・ガス田開発に関する国民の期待レベルはどれくらいだろうか?最近の世論調査によると、可能性が低いと考える国民が高い側の2倍以上いる。大邱・慶北地域の国民は光州・全羅に比べておおよそ6倍も前向きだ。民主党支持層はほとんど期待していない一方、国民の力支持層は約70%が希望的だ。当然、ポハンの前海のどこかに埋まっているかもしれない石油は、そんな世論には関心を持っていない。

「意見ではなくデータを集めろ!」この勧告はスタートアップ創業や企業の新事業ローンチを準備するすべての人が耳にタコができるほど聞く忠告だ。事業アイディア検証戦略のバイブル<アイディア不敗の法則>には、このように書かれている。「新事業の90%は失敗する。成功するためには、大きな資源を投じる前に、『できる奴』かどうかを迅速かつ安価に自分自身のデータで検証しなければならない。」この勧告はすべてのタイプのビジネスに普遍的に適用される原理である。

失敗した場合、莫大な費用を無駄にする国家の新事業ローンチであればなおさらだ。だから「ポハンの英日湾前海に石油・ガス埋蔵可能性が高い」という尹錫悦大統領の国政ブリーフィングで、私たちが耳を澄まして聞くべき言葉は「検証」だった。大統領は「有力な研究機関と専門家の検証も受けた」いと述べ、「今は実際に石油・ガスが存在するのか、実際の埋蔵規模はどれくらいかを確認する探査掘削段階に移るべき時だ」と明確に言及した。

科学はまず仮説を立てる。そしてその仮説が正しいか間違っているのか、真である可能性がどれくらい高いのかをデータで検証する。当然、このデータには偏りがない方が良い。偏りを減らす第一歩は、検証をもう少し客観化する作業である。常識的にも直接・間接的に確認すべき事項は多い。たとえば、アクトジオ社のアブレウ顧問がその分野の権威者であるのか、「20%の成功可能性」に関する根拠を他の専門家も大まかに受け入れるのか、アクトジオ社がこの判断をするだけの実力、実績、規模を持つ専門家集団なのかなど。国内メディアが注目している点でもある。

しかし、こうした検証のためのデータはそれぞれの重みが異なる。つまり、あるデータは決定的である。そしてこの決定的な検証データは通常、リスクを負っている側から来る。どう決まろうとも自分に何の損害もない人々に徹底的な検証を期待するのは非合理的である。アブレウ顧問の立場から考えてみよう。埋蔵可能性に関する彼の前向きな解釈は、彼にどんなリスクも与えない。彼は石油公社が提示した過去15年間のデータを深く分析する前に、東海の深海が石油を孕む良い環境であることを「一目で見抜いた」と語った。「祝賀すべきことなのにどうして論争になるのか理解できない」とも語った。このような発言をしたからといって、彼が負うべきリスクがあるだろうか?

問題は私たちの政府である。私たちはアクトジオ社の前向きな解釈を合理的に疑わなければならなかった。なぜなら、石油公社と共に英日湾地域を過去15年間共同探査してきたオーストラリアのエネルギー企業ウッドサイドが2022年に「可能性なし」と結論づけ、調光権の50%の株式までも返却して撤退したからだ。実際にリスクを負ったウッドサイドは撤退し、国民が聞きたい話をしているアクトジオ社は無血入城した。正直、リスクを負わない者の意思決定をどれほど信頼できるだろうか?

コンサルティングが不要だと言っている訳ではない。自らの判断に対してリスクがまったくないコンサルタントの意見をある程度参考にせよということだ。さらに大きな問題は、この論争でリスクを負う当事者が国民以外に見えないという事実である。ひょっとすると、国民に産油国の希望を与えた政府が内心嬉しく感じているかもしれない。結局、緩い検証によるすべてのリスク負担は結局国民が負うことになる。そういえば、過去の政府の国家主導の新事業(4大河事業、原発廃止政策など)の進行も同様だった。

停滞する予備創業者を真の創業者に変える最も早い方法の一つは、自分のお金を使って始めさせることである。そうすれば、徹底的に検証し、成功のために素晴らしい冒険を敢行するようになる。国の経営も同じではないだろうか?誰もリスクを負わないまま「できれば良いが、できなくても構わない」新事業は国民に夢を与えることはできない。

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