朝鮮コラム

甲子園優勝で私たちが見逃した真実

張大益学長

2024/09/04

イラスト=朝鮮デザインラボ·Midjourney

十日前に東京出張で出会った日本人たちは、全員が甲子園決勝戦の話に夢中だった。ホテルの部屋に戻って見たハイライトはドラマそのもので、そこで『全国高等学校野球選手権大会』というタイトルが恥ずかしいほどの超特級解説者たちが試合分析をしていた。甲子園はそのものが日本国民の祭りのようだった。

韓国のメディアが隣国の高校野球決勝戦を大々的に報じた理由は、優勝チームの京都国際高校が在日韓国人が設立した学校であるからだ。甲子園では毎試合終了後に勝利したチームが列に並び、その校歌を流す美しい伝統があり、ちょうど京都国際高校の校歌が韓国語の歌詞「東海を越えて大和の大地は…」となっていたため、まるで韓国の高校チームが優勝したかのような錯覚を引き起こすほどだった。日本の高校野球大会が韓国で大きく注目されたのはまさにこの校歌のためだ。

実際、驚くべきは校歌だけではない。全校生徒160人の小さな学校が、3715チームが参加したトーナメントでトップクラスになる実力を持っていることは最も感動的なストーリーだ。日本で韓国人のアイデンティティを守るために奮闘してきた歴史も非常に感動的である。その上、本当に甲子園での優勝だ!出張中に出会った日本の教授たちも、今回の優勝は日本社会でも奇跡のようなことだと祝福の握手を求めてきた。

肩が上がりそうだったが、そうではなかった。私たちの高校の現実が思い浮かんだからだ。今回の夏の甲子園本選には、47地域の中から3715チームの厳しい予選を勝ち抜いた49校だけが参加した。すごい規模だ。一方韓国は約100校の高校野球チームが活動しているので、日本に比べて37倍小さい数字だ。人口差を考慮しても規模は約15倍小さい。サッカーの場合も状況は似ている。

さらに驚くべきは、高校の球技チームを有する割合だ。2021年の統計によると、日本の高校サッカーチームは3962(私たちは190)である。日本の高校数は4887校で、日本の高校の80%がサッカーチームを持ち、76%が野球チームを構成している計算だ。一方韓国はわずか8%がサッカーチームを、わずか4%が野球チームを持っている。これが日韓両国の高校チームのスポーツ格差である。つまり、私たちの高校でのチームスポーツは一つの生活や文化ではなく、彼らだけのリーグに過ぎない。

再び甲子園。これほど多くの地元高校チームの中で、優勝チームだけが甲子園本選に出場するため、例えば夏の甲子園本選が行われる8月は、皆が地元コミュニティのチアリーダーに変身する。実際、今回京都国際高校を応援するために集まった京都の隣の学校の生徒や親たちの熱烈な応援がカメラに頻繁に捉えられた。彼らだけのリーグではなく、『私たち』の祭りになったのだ。祭りになる瞬間、試合の勝敗はおまけになる。

チームスポーツは文字通りチームが何かを経験する場である。青年期に大小のチームに所属して共に試合をすることは、自分の身体的能力を発展させる以上の意味を持つ。協力や配慮といった社会的能力を発展させる機会であると同時に、勝利と敗北から得る喜びや悲しみ、応援と非難から来る安堵感や挫折感、上手くできることやできないことから感じる自尊心や劣等感を経験する感情調整の場である。さらに、自分のチームメートについてだけでなく、相手チームに対しても立場を変えてみることができる共感の練習場である。

幼少期に『遊び』を経験できなかった子供は成長して深刻な情緒的問題を抱えるという研究は数え切れないほどある。遊びは感情の起伏を経験し、調整する行為だからだ。青年期は身体的に活発でホルモン的にダイナミックで認知的に柔軟な時期である。この時期に入試に役立たないと判断してチームスポーツを切り捨て、青年たちを馬のように一人で走らせる私たち大人は正気なのだろうか?持続的な団体体育活動が認知能力と学習能力を高め、ストレスを緩和し、抗うつ剤の機能を果たすという事実に照らしてみると、大人たちのこの判断は深刻な誤りであるだけでなく、私たちの子供たちを誤導する深刻な犯罪かもしれない。

『運動靴を履いた脳』の著者であるハーバード大学医学部のレイティ教授は、高校の0時限体育授業が学生の学習能力向上と脳の構造改善に大きく寄与するという事実を明らかにし、運動が身体だけでなく脳を健康にすると強調している。この事実に深く共感した国内のある私立高校の校長は、学校の教育哲学を『体知徳』に設定し、全生徒に運動をさせることを試みたが、しばらくすると保護者の激しい反対によって断念したというエピソードが伝えられている。人生で運動がどれほど重要であるかを理解している親でさえ、このような反対をしている現実が非常に非現実的である。

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